地味に始めたこのサイトですが、ありがたいことにたまに海外からもアクセスいただいています。
そこで今回は、「日本の小学校のコンピューターの授業はこんなことをしていますよ。」という一例をご紹介していきたいと思います。
日本の小学校に通われている保護者の方も、自分のお子さんの学校との違いを見ていただいても面白いかもしれません。
一例というのは、学校に任されている部分が多く、それぞれの学校の先生が試行錯誤しながら授業に取り込んでいますので、千差万別というところです。
今回は、うちの子供が通っている小学校を例に挙げていきます。
コンピュータ1人1台整備
うちの子供の学校は、都心部からかなり離れた地方の公立小学校です。
2020年度「プログラミング学習」が必修化され、2021年GIGAスクール構想の実施で1人1台コンピューターが配布されました。
Microsoft Windows 端末、ChromeOS 端末、iPadOS 端末の3種類の仕様が策定されましたが、うちの子供の学校はChromebookでした。
タイピング授業
小学校2年生の時に配布されましたが、ローマ字学習が始まる前に、突然のローマ字入力のタイピング授業。
「タイピング」として定期的に授業が行われるわけではなく、一度授業で紹介し、その後は自習時間や休憩時間にやりたい人はやっても良いよという感じです。
使ったサイトは「キーボー島アドベンチャー」。
「自主トレ」で基本を練習してから、「練習試合」→「試合」と進んで行き、「試合」で目標の文字数と正解率を超えていたら「勝利」で次の級にアップ。
ゲーム感覚で子供は楽しかったようで、学校で夢中に画面とキーボードを見て打っていたようです。
うちの子供は、2年生の時は授業で何をやったと自分から積極的に話す子では無かったので、親が学校でタイピング練習をやっていることを知った頃には、もう指はぐちゃぐちゃ、画面とキーボードを見ながらただひたすら高得点を目指してガチャガチャやっていました。
立派に変なタイピングの癖がついており、自宅では富士通の「実践!タッチタイピング」のサイトを使って基本から練習しなおしました。
「キーボー島アドベンチャー」は、小学校のクラス、委員会・クラブなどのグループ単位での参加が原則で、担当の先生による申し込みが必要になりますが、登録無しで体験できます。
タイピングを楽しいと思うきっかけには良いサイトかと思います。
プログラミング授業【アルゴロジック】
小学校2年生の初めてのプログラミングの授業は「アルゴロジック」という「課題解決型ゲームソフト」。
「ジュニア問題」で基礎を学習し、「チャレンジ問題」で応用していきます。
これは「ジュニア問題」の最初の課題「まっすぐ移動」。3つ先のフラッグまでの行動を、右にあるブロックを使って指示します。
プログラムが成功すると課題名の横に丸が付きます。
プログラムが成功すると「〇」。さらにそれが一番効率の良いプログラムだと「◎」。
これはプログラミングを知らない、大人も子供も一緒に考えて楽しめます。
学校では、授業でサイトへのアクセス方法と基本操作だけ説明があり、その後は自己学習。
授業で正解を教えたり、解説は無かったようですが、プログラミングですので何度もトライアンドエラーを繰り返しながら解決方法を自分で探っていく力をつける良い機会。
アルゴロジック1とアルゴロジック2があり、アルゴロジック1はプログラムの3つの制御構造のうち「順次処理」と「繰り返し処理」。アルゴロジック2は「順次処理」「繰り返し処理」「分岐処理」を学べます。
制御構造を意識して取り組んでいないので、「順次処理」と「繰り返し処理」という言葉を子供は知りませんが、気付いたら「やったことがあった」という感じですね。
プログラミング授業【Scratch】
小学3年生になり「Scratch(スクラッチ)」という、ビジュアルプログラミング言語をスタート。
ここから本格的にプログラミング学習が始まるかと思いきや、サイトの紹介程度で子供は「見たことはあるけど、やり方は教わっていない。」という感じです。
小学4年生もプログラミング学習に関しては進展ありません。
ちなみに、小学校は「プログラミング」や「コンピュータ」という科目はありませんので、成績表に評価はつきません。
ロイロノート
ロイロノート・スクールは全国の小学校・中学校・高校・塾で導入されているクラウド型授業支援アプリです。
3年生の授業参観の時に、おそらくこんな活用方法がありますよというアピールかと思いますが、道徳の授業で生徒に質問をし、その回答を集計して棒グラフでモニター画面に表示するというのがありました。
これを活用できている学校は、画期的かと思います。
ロイロノートの活用サイトを見ると、先生と生徒、生徒同士が双方向で学べる面白そうなアプリ。
うちの子供のロイロノートの学習をのぞいてみると、2ヶ月1回授業の感想を四角の枠の中に数行書いただけのもの。
担任の先生は定年退職後再雇用された先生。頑張って使ってくれたんだと思います。
ラインズeライブラリ アドバンス
学校の自習時間や自己学習(休み時間等)、家庭学習ができるシステム「ラインズeライブラリ アドバンス」。
コロナの影響もあって、学校が休校になった時に学習に遅れが出ないよう。
家庭環境によって学習に差がつかないよう、誰でも学べる環境をということで取り入れたようです。
子供の学校も教員不足があり、教科によって先生が変わりますが割り当てられる先生がいない時は、このeライブラリを使って自習。
国語、算数や理科、社会など色々学べるようですが、学習の進捗管理は自己管理。
小学3年や4年だとそこはちょっと難しい。
ちなみに上の画像は実際の子供のeライブラリの画面ですが、先生からの指示は「指示はありません。自由学習をしましょう。」とあります。ここに先生からの指示が表示されたことはありません。
自宅で、進研ゼミのチャレンジタッチでタブレット学習をしていますが、うちの子供はこちらの方がモチベーションの維持ができるようです。
授業支援システム
Chromebookには「授業支援システム」が導入されています。
「授業支援システム」とは、ICTで児童生徒の学びを促進しながら先生の授業運営をサポートする仕組みの総称です。
2つこの「授業支援」で良いと感じたのは、
1つは、夜間使用できなくなること。20時以降は使用できない設定。
もう1つは、サイト制限されていること。これは「授業支援のシステム」が関係していなくてもできますが、ポータルサイトがYAHOO!キッズになっているので、大人が心配するような検索結果が出てこない。
長期休みにChromebookを自宅に持ち帰って良いことになっていて、勉強以外にもWeb検索などしていますが、親が何か言わなくても20時には終わるので余計な気を遣わずに済みます。
総評
日本の小中学校の環境整備はされてきたと思います。あとは活用できるかどうかですね。
以前インドのお子さんが猛烈にコンピュータを使いこなしている映像を見たことがありますが、うちの子供の学校に関して言えば、全然そうなる気配はありません。
地域で1名ICT学習支援員を配置し、教員に活用方法をレクチャーして環境を整えましたと教育委員会の報告書にはありますが、先生も大変。教員不足でただでさえ忙しいのに、環境を整備したのでさぁやってくださいと言われても、難しいのが現状なのかなと子供の授業から推察されます。
環境はあるので活かせるよう政府や学校任せではなく家庭でも考えて行動していくのが他の教科同様必要かと思います。
みなさんのお子さんの環境はいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。